笏谷石
1. 水で目覚める「青」——越前青石の魅力
笏谷石(しゃくだにいし)は、福井市・足羽山一帯で採掘されてきた石材です。水に濡れると深い青色が鮮やかに浮かび上がることから「青石(越前青石)」とも呼ばれ、薄青色できめ細かなものほど上質とされ、親しまれてきました。
2. 1600万年前から続く、福井の石文化
笏谷石は、約1600万年前の火山活動で降り積もった火山灰が固まってできた火山礫凝灰岩です。古墳時代の石棺に用いられた記録も残り、平安末期には石造美術品、戦国期の一乗谷朝倉氏遺跡では石仏から生活用品までが出土しています。安土桃山〜江戸期には城の土台や石垣にも用いられ、北前船によって全国へ流通し、各地で基礎石や敷石などに活用されていきました。
3. もう採れない石——いまは“再利用品”だけの希少性
笏谷石の採掘は1998年9月に終了しており、現在は新たに採掘されていません。そのため、現存する笏谷石は限られ、希少性の高い石材となっています。こうした背景から、失われつつある福井独自の石文化を未来へつなぐために「蘇生」という考え方が生まれました。
4. 眠っていた石を器へ——「蘇生笏谷石 福井の輝き」
『蘇生笏谷石 福井の輝き』は、県内の古民家などで建材として使用されていた笏谷石を収集し、「器」として再生するシリーズです。明治期の建築物に使われていた笏谷石を用いた器もあると紹介されています。自然石ならではの素材感に加え、やさしい手触りや軽さ、冷たさ・温かさを保ちやすい特性も魅力として挙げられています。